年末が近づくと、評価面談の準備が始まります。「1年頑張ったのに、何をどう話せばよいか分からない」。そう感じる技術者の方は少なくありません。その根っこには、目標のあいまいさがあります。会社が自分に何を期待しているのか。自分はどうなりたいのか。この2つが言葉になっていないことが、評価のずれを生んでいます。
人事評価に不満を感じたことがある人は7割
Job総研が2026年10月に公表した調査では、勤め先に人事評価制度があると答えた人のうち、73.0%が人事評価に不満を感じたことがあると答えています。不満の理由で最も多かったのは「評価基準が不透明」(46.6%)、次いで「上司の主観で決まる」(38.9%)でした。
出典:パーソルキャリア株式会社 Job総研「2026年 人事評価の実態調査」(2026年10月5日公表。調査期間2026年9月2日〜8日、就業中の20〜50代476人)。
評価の基準が見えにくいのは、制度のつくりだけが原因ではありません。多くの場合、その手前にある目標そのものが、あいまいなまま1年が進んでいます。
目標があいまいだと、何をコミットしていたのかが分からなくなる
技術者の目標は、「〇〇の開発を進める」「品質を改善する」といった書き方になりやすいものです。仕事の方向は分かっても、何をもって達成とするのかは、自分にも上司にも見えていません。
その状態で1年が進むと、日々の仕事は忙しく進んでいるのに、自分が会社に何をコミットしていたのかが、だんだん分からなくなっていきます。
評価のずれは、2つのことが言葉になっていないから生まれる
目標があいまいなまま評価面談を迎えると、話せるのは「やったこと」の一覧だけになります。けれど、評価のずれの根っこは、話し方ではありません。その手前で、次の2つが言葉になっていないことにあります。
01会社が何を狙い、自分に何を期待しているか
会社や部門がこの1年で何を実現しようとしていて、その中で自分に何をしてほしいと思っているのか。
02自分がどうなりたいか、そこに向けて何をしてきたか
自分がどんな技術者になりたいのか。そして、この1年でそこに向けて何をしてきたのか。
1つめが言葉になっていないと、自分がやったことを起点に、会社への貢献を後から定義することになります。それでは、どれだけ丁寧に説明しても、自分本位の貢献に聞こえてしまいます。
2つめが言葉になっていないと、成長の話が、ただの作業の記録になってしまいます。上司が見ている軸と、自分が語る軸がずれるのは、このためです。
振り返りの軸は「会社の成長」と「自分の成長」の2つ
軸を合わせるには、この2つを、1年の振り返りの起点にします。
01会社の成長から振り返る
自分がやったことから始めるのではなく、会社や部門がこの1年で何を狙っていたのか、その中で自分に何を期待していたのかを、先に書き出します。そのうえで、自分の仕事がその期待にどう応えたのか、応えきれなかったのはどこかを振り返ります。
02自分の成長から振り返る
自分がどんな技術者になりたいのかを、先に書き出します。そのうえで、この1年でそこに向けて何をやったのか、何ができるようになったのかを振り返ります。
会社の期待と、自分がなりたい姿。この2つを起点にして振り返ると、上司と同じ軸で話せるようになります。会社の成長だけを語ると自分の姿が見えず、自分の成長だけを語ると会社にとっての意味が伝わりません。両方がそろって、初めて評価の話がかみ合います。
面談の前にやっておきたい3つのこと
会社や部門がこの1年で狙っていたことと、自分への期待を書き出す。分からなければ、面談の前に上司に確かめる
自分がどうなりたいのかと、そこに向けてこの1年でやったことを書き出す
来年の目標を、「会社の期待」と「自分のなりたい姿」の2つの軸で上司とすり合わせられるよう、自分の案を用意しておく
たとえば「新製品の量産立ち上げを担当した」という1行も、会社の期待から見れば「新製品を予定どおりに量産へ移すことを求められ、設計と製造の条件をそろえることで応えた」と書けます。自分のなりたい姿から見れば「部門をまたいで判断できる技術者になるために、立ち上げの判断基準づくりを自分から引き受けた」と書けます。同じ仕事でも、起点を変えると伝わり方が変わります。
自分だけで言葉にできないときは、AIの力を借りる
会社の期待と、自分がなりたい姿を、自分だけで言葉にするのは簡単ではありません。日々の仕事に追われていると、どちらも当たり前のものとして、立ち止まって考える機会が少ないからです。
自分で考えても言葉にならないときは、AIの力を借りるのも一つの方法です。1年の仕事を書き出したうえで、「会社や部門は何を狙っていて、自分に何を期待しているのか」「自分はどうなりたくて、そのために何をしてきたのか」をAIに問いかけてもらうと、自分では見えていなかった観点が出てきます。
そのうえで、問いかけを技術者の仕事に合わせて設計し、結論と理由が一目でわかる資料にまとめるところまで手伝うのが、株式会社キャリアウェルビーイングの診断プログラム「技術者の『次の10年』設計」です。
なお、このプログラムを受けていただいた方には、弊社から求人をご紹介することはできません。
CAREER WELL BEING
会社の成長と自分の成長を、一冊の資料に。
質問に答えていくことで、強みや目指す姿、必要な環境を、結論と理由が一目でわかる資料にまとめます。