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COLUMN

AI時代に残るコンサルとは。「描く」と「実現させる」、伴走支援が欠かせない理由

2026.11.08

AIの進歩によって、知見は誰でもすぐに手に入るようになりました。お客様は、コンサルタントに相談する前に、当たり前のようにAIで壁打ちをしています。では、この時代にコンサルタントに残る価値は何なのでしょうか。製造業のお客様を伴走支援で支えてきた立場から、コンサルという仕事の本質と、これから残っていくコンサルタントの条件を考えます。コンサルという仕事に関心のある技術者の方に、特に読んでいただきたい内容です。

そもそも、コンサルの仕事とは何か

コンサルの仕事とは、現状の延長線上にない「あるべき姿」を描き、それを確実に実現させることです。

会社は、何もしなくても今の傾きのまま少しずつ成長していきます。コンサルタントが描くのは、その傾きをそのまま伸ばした姿ではありません。成長の傾きそのものを変える、あるいは成長の関数そのものを変える姿です。あるべき姿が現状の延長線上にないからこそ、社内だけでは描きにくく、外の力が必要とされます。

そのため、コンサルの仕事は、次の3つの段階で進みます。

01あるべき姿を描く

会社や事業が、この先どうなっているべきかを描きます。

02課題を設定し、解決のステップを描く

あるべき姿と今の差から課題を設定し、それを解決するための道筋を描きます。

03日々の変化に対応しながら推進する

道筋どおりに進むことはありません。日々起きる変化を新たな課題として解決しながら、前に進めます。

つまり、コンサルの価値は、あるべき姿を「描くこと」と、それを「実現させること」の2つにあります。

AIの登場で、何が変わったのか

大きく変わったのは、知見そのものに価値がなくなりつつあることです。

これまでは、個人やコンサルティング会社が持つ知見が、そのまま価値になっていました。けれど今は、AIによってあらゆる知見が開示される世界になっています。お客様がAIで壁打ちをしてから相談に来る以上、個人や1社が持つ知見を伝えるだけでは、お客様に新しい価値を提供できません。

コンサルを使う側の受け止め方にも、変化の兆しは表れています。ガートナージャパンが2026年6月に発表した調査では、コンサルティングサービスを利用している企業は74.0%にのぼります。一方で、満足度が「期待以上」と答えた割合は、どの利用場面でも半数に届いていません。不満の理由として最も大きかったのは、「コンサルタントの品質のばらつき」でした。

出典:ガートナージャパン、国内企業のコンサルティングサービス利用に関する調査(2026年6月5日発表。国内でIT製品・サービスの導入や選定に関与する400人を対象)。@IT「ITコンサルに『想像より上』は望めない?」(2026年7月15日)より。

この調査は、AIとの関係を直接調べたものではありません。けれど、多くの企業がコンサルを使いながら、期待を超える価値を得られていない様子がうかがえます。

では、知見が価値でなくなったとき、コンサルタントに何が残るのか。それが、先ほどの2つ、「描くこと」と「実現させること」です。AIは知見を出すことはできても、ある会社のあるべき姿を描き切ることや、社内の利害を越えて物事を前に進めることはできません。

では、これからのコンサルはどうなっていくのか

私は、コンサルタントは次の2つに分かれていくと考えています。

01描くことを極める

誰も思いつかないような、圧倒的な戦略としてあるべき姿を描くコンサルタントです。

02実現させることを極める

あるべき姿から実行までのすべてを理解したうえで、これまでにないスピードで実行させるコンサルタントです。部門ごとの利害がぶつかる場面で、第三者の立場からそれを越えて物事を前に進めることも、この役割に含まれます。これが伴走支援です。

多くのコンサルティング会社が、このどちらかに寄っていくはずです。逆に言えば、誰も思いつかない戦略も描けず、高速で実行させる伴走支援もできないコンサルタントは、数年と言わず、この1年ほどで淘汰されていくのではないかと考えています。

私はこれまで、後者の伴走支援のスペシャリストとして、製造業のお客様を支援してきました。

伴走支援で成果を出すために、何が必要か

必要なのは、次の3つです。私が伴走支援で、一番大切にしていることでもあります。

01少しの変化を見逃さない

プロジェクトの中では、経営状況が変わる、キーマンの感情や考え方が変わる、ということが当たり前に起きます。前提条件は、秒単位で変わると考えてよいほどです。その小さな変化に気づけなければ、描いた道筋はすぐに現実とずれていきます。これはコンサルタントに限らず、サービス業に携わるすべての人に欠かせない力です。

02課題を残さない

お客様が口にした小さな課題が、解決されたのか、されていないのか。それをどこまで管理できているかが問われます。「相手はきっと忘れているだろう」は通用しません。問われているのは、相手が忘れているかどうかではなく、その言葉の一つ一つをどれだけ大切にしているかです。

03実行できる施策を高速で回す

AIによって、今はほとんどのことがすぐに形にできます。アプリも作れますし、要件を決めるために、システムの画面を画像で再現することもできます。形にするまでの時間が短くなった今、すぐに実行できる施策を、これまでにない速さで回すことが求められます。

施策を高速で回せる時代に、最後に残る壁は何か

最後に残る壁は、「人」です。

仕組みやツールは、AIの力でいくらでも速く変えられるようになりました。けれど、どれだけ速く変えても、そこについてこられないのは人です。一番時間がかかるのは、人が変わることです。だからこそ、人をどう変えるかが、コンサルタントの支援の最も大きな課題になります。

人を変えるために大事なことは、次の2つです。

01想像させる

人は、イメージできないことに対して行動できません。変わったあとの姿を、具体的に思い描けるようにすることが出発点です。

02習慣化させる

イメージができていても、習慣になっていなければ、人はすぐにもとに戻ります。新しいやり方が日々の当たり前になるまで、支え続けることが必要です。

なぜ、それは伴走でなければできないのか

ここまでの支援は、外から答えを渡すだけでは成り立たないからです。

小さな変化に気づくことも、お客様の言葉を一つも残さず拾うことも、人が新しいやり方を習慣にするまで支えることも、現場でお客様と一緒に進んでいなければできません。部門の利害がぶつかって社内だけでは決めきれないときに、第三者として前に進める役割も、日々の状況を知っている伴走者だからこそ果たせます。あるべき姿を実現させるという価値は、伴走の中でしか生まれないと私は考えています。

技術者の経験は、伴走支援で生きるのか

生きる部分は大きいと感じています。

小さな変化に気づく力、言葉を大切にして課題を残さない姿勢、手を動かして形にする速さ、そして人が変わるまで付き合う粘り強さ。これらは、製造業の現場で、設計や品質、生産の課題に向き合ってきた技術者の方が、すでに持っている力と重なります。

たとえば、設備や工程の小さな異常にいち早く気づくこと。不具合の原因を一つずつつぶし、再発させないこと。試作を何度も回して形にすること。現場の人に新しい手順を覚えてもらい、定着させること。技術者の方が日々やってきたことは、伴走支援でお客様と向き合うときの土台になります。足りないのは、その経験を「コンサルタントの言葉」で語れるようにすることです。

株式会社キャリアウェルビーイングでは、技術者とコンサルタントの両方を経験したメンバーが、製造業の技術者のキャリアを一緒に考えています。コンサルタントという仕事に関心のある方も、まずは今の経験を言葉にするところからご相談ください。

CAREER WELL BEING

技術者の経験を、伴走支援の力に。

技術者とコンサルタントの両方を経験したメンバーが、これからのキャリアを一緒に考えます。

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