書類選考で落ち続ける。面談では手応えがあるのに、応募すると通らない。製造業の技術者の方から、この相談をよくいただきます。経歴書を拝見すると、原因はたいてい同じ場所にあります。書かれているのが「担当した工程」だけなのです。
「何をやったか」は書いてあるが、「何を動かしたか」が無い
たとえば、こういう記述です。
技術者同士なら、この一文の裏にどれだけの試行錯誤があったか想像がつきます。しかし、選考の一次を通すのは、多くの場合、技術のバックグラウンドを持たない採用担当者です。その人の目に、この一文は「与えられた担当範囲を、指示どおりにこなした人」としか映りません。
専門性はあるが、自分で問題を立てて人を動かした経験が見えない。
コンサルティングファームの選考でこの読まれ方をすると、「技術屋止まり」という評価がつきます。技術者としては褒め言葉になりうる評価が、ここでは不合格の理由になります。
選考側が探している、3つの痕跡
書類を読む側が探しているのは、次の3つです。
課題設定
誰かに指示される前に、自分で「これは問題だ」と気づいた場面があるか。
巻き込み
自部門の外にいる人を、どうやって動かしたか。
意思決定
制約の中で、何を捨てて何を選んだか。
歩留まり改善の例でいえば、「そもそも歩留まりを課題として設定したのは誰か」「条件変更にあたって、品質保証と生産管理をどう説得したか」「コストと納期のどちらを優先したか」。この3点が入るだけで、同じ経験が別物に見えます。
書き換えの実例
先ほどの一文を書き直すと、こうなります。
やったことは、変わっていません。書いていなかった部分を、書いただけです。
ただし、盛ってはいけません
この書き換えを「話を大きくすること」と誤解すると、面接で必ず崩れます。深掘りされた瞬間に、実際に自分が決めたことと、書いてあることのズレが露見します。
やるべきなのは、記憶の中から実際にあった判断を掘り出す作業です。そしてこれは、一人でやるのがもっとも難しい部分でもあります。自分にとっての当たり前は、自分では珍しく見えないからです。
まず、添削ではなく診断から
私たちは、経歴書をいきなり添削しません。最初にやるのは「何が伝わっていないか」の診断です。書かれていないものを見つけるには、書いた本人に話を聞くしかありません。
CAREER WELL BEING
あなたの経歴書は、いま、どう読まれているか。
製造業の技術者としてのキャリアを持つコンサルタントが、経歴の棚卸しからご一緒します。応募するかどうかを決める前の段階で構いません。